もしかしてぼくらは「サブカル地縛霊」なのかもしれない
どこか義務感でアニメを見ている自分がいる
いまだにアニメを見ている。いい年なのに。
アニメを見て面白いのか、と言われたら、「一応楽しめている」とこたえるだろうけど、心の底から楽しめているかというとそうでもない。
新しい季節が始まるたびに、何かアニメを一つは見なければいけない気分になる。
幸い、一本か二本は楽しいアニメが見つかる。さすが日本のアニメは世界一だ。
それでも、どこか義務感のようなものを感じて見ているフシは消えない。
「アニメの代わりに打ち込む何か」がみつからない
アニメを見なければその空いた時間で何かしろ、という話になる。
だけれど、ドラマや映画にのめり込めるかと言われても、のめりこめない。
かといって現実の生活のなかでの打ち込めるものもない。
普通の人たちは、中学高校、大学のいずれかでアニメからは卒業する。
それはリアルが充実して、自然とフェードアウトするからだろう。
でも中学高校など卒業のタイミングを逃してしまったサブカル野郎たちは、一体どういうタイミングでアニメから遠ざかればいいんだろう。
小学校以前はアニメを良く見ていたものの、中学高校と勉強にうちこんでアニメにハマることなく過ごした私。アニメの楽しさに気づいたのが大学生以降という私。
私のような人間はアニメ卒業の絶好のチャンスを逃した以上、進化をキャンセルされたポケモンみたいに永久に卒業できないのだろうか。
ライチュウになれずに、ピカチュウのままなのだろうか。
そう思う自分は、実はアニメから遠ざかりつつあるのかも
ニコニコ動画などの動画サイトのコメントに、「このアニメはつまらない、つまらない」と言いながら見ている人がいる。
つまらないなら見なければいいのに。
そんなことを思っていたけれども、アニメにしがみついている点で自分も実は彼らに近い存在なのかもしれない。
本当はもう死んでいるのに死んでいることを自覚できない地縛霊。
本当はもうアニメから卒業しているのにそれを自覚できていないのは、地縛霊に近い。
成仏しないように、現世にしがみつけるアニメを毎シーズン探し、つまらないアニメも仕方なく見続けているのかもしれない。
ニコニコで文句をいう彼らも、私も、いわば「サブカル地縛霊」なのかもしれない。
そんな風に考えるとどこかすっきりする。
「お前消えるのか?」
すっきりすると同時に、ふっとアニメから興味がフェードアウトしそうな気がする。
でも、「これ、何かのシーンに似ているな」とも思う。
なんだろうと脳内データベースをあさったら、Angel Beats!の「お前消えるのか?」という声が聞こえてきた。
Angel Beats!
別にそんなに面白かった気がしないのに、全話見たアニメだ。
ところどころ違和感を感じまくっていたのに泣いてしまったアニメでもある。寒いギャグもあれば、腹を抱えて笑ったネタもあった。
アニメのことを考えるときに、一番好きというわけでもないアニメを思い出すあたり、どうやら成仏はまだまだ先のことらしい。
元西武の清原がイケない薬で逮捕された日にそんなことを思った。*1
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- 出版社/メーカー: Section 23
- 発売日: 2011/07/26
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*1:「お前消えるのか」と主人公に言われたキャラクターは、生前野球部で、エラーのショックなどからイケない薬に手を伸ばしたという過去を持つ